「インターネットで教育が変わる」

PcDayのコンテンツ募集の活動を知って(1998年4月)


PcDayの「教育コンテンツ募集:100ドルコンピュータが50ドルで手に入る」の誘いに乗って、ここから竜丘小学校のインターネット教育が始まった

 1998年4月、竜丘小学校へ転勤してくるとそこにはインターネットの風が吹いていた。まず、学校にインターネットが引かれていた。ホームページもあった。早速職員会で「職員室にLANを、各教室でもインターネットを」と提案した。

 さらに、机の上に、PcDayからの「教育コンテンツ募集」という手紙が載っていた。これからは、教育上のコンテンツが必要だと考えていた僕はすぐにその話に乗った。
 なぜ、教育上のコンテンツの開発が必要なのか。それは、学力をアップするにはアップするためのシステムが必要だからだ。だれでもこの材料を用いてこのように発問して学習を進めれば学力がつくというシステムが学力アップに役に立つという時代になってきていると思う。しかし、教員の世界では、システムでなくて技術・テクノロジーを求めていた。このような速さでこんなことを話せば子供たちは振り向くというテクノロジーが研究されていた。
 家を建てるのに、この材料を使ってブロックのように組み立てれば家が建つというように、材料も作り方もそろっているのがシステム。家を建てるのに、カンナの上手な使い方を身に付け木を長さを考えて削り組み立てていくという技術が求められていた。
 技術を持った先生は、定年退職とともに技術を持っていってしまう、ところがシステムはいつまでも残る、これが、教育技術と教育システムの違い。小学校の先生は、いろいろなことを教える、音楽の技術、ピアノの技術、指揮の技術、いい発声で歌わせる技術、子供の意欲を引き出す技術、たくさんの歌を知っていること、等等が音楽では必要、水泳では、長く泳がせるためにどうするかという技術、逆上がりを教える技術・・・算数では足し算を教える技術、割り算の意味を教える技術、国語、理科、社会、さまざまな強化で様様な技術(技術だけでなくて知識やその他色々)を必要とするのが教育だとすれば、だれもが、ある場所では専門家だけれど、ある場所では素人になる。全部の技術を身に付けるのは不可能だ。システムならば、そこに教え方も道具もそろっているので、だれでも水準のそろった教育ができる。

 ○算数の学力をつけたい

 学校がおもしろくない、授業がつまらない、学力がない、これをどうにかするのが学校です

 ○ソフトウエアの開発

 一度作れば誰でも使える、教員を止めても持っていってしまわない物、残っていくものを作りたい

 ○インターネットの良さ

 誰もが使える、教員が使わなくても良い、子供が直接さわれる。いつでも使える。どこでも使える。

 この考えが、最初の考えでした。でも最初は今のようなシステムとは考えていなかった。数百のソフトウエアを作れば何とかなるかもしれないと思っていました。

 こうして最初の1年が終わりました。
 PcDayのこれからは教育コンテンツという考え方は正しかったと思います。いま、文部省がその取り組みをはじめています。

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