FmFによるアメリカとの交流(2月23日)


その4、参観日のお別れ花束

高学年参観日の日、理科専科のボクは5時間目の授業を終わりにして、6年生が呼びに来るのを待っている。

6年1組はボクが4年生のとき担任していたクラスだ。卒業式にはアメリカへ行っているという話を聞いた保護者の方々が「卒業式にいないのなら、早めにお別れをしたい。」と計画してくれたのだった。

教室へはいると、お母さん方が(あつし君のお父さんやお世話になっている方の顔もあった)教室にいっぱいいた。久しぶりの経験で、もうあがってしまった。

あやかさんがクラスを代表して、「お礼の言葉」を読んでくれた。「4年生のときは野上先生がものすごくたくさんの漢字プリントを作ってくれて、あれで漢字が好きになりました。」ボクの自慢の3000枚の漢字プリントのことだ。うれしい。(もりの小学校のプリント集に公開中)「いつも笑顔の先生でした。」いえいえ、怒ったこともありました。ごめんなさいね。他に手がなかったんです。未熟でした。

次に、啓介君からカーネーションの花束の贈呈があった。カーネーションの花言葉は感謝だという。教員をやっていて良かったと思う。

ボクは、これから教育委員会へ行かなきゃならなかったから時間が少なかった。でも「これから、実験をします。」というと、みんなから笑いが漏れた。

「あなた方は、みんなかけがいのない人です。どの一人一人もとても大切な人です。だれも世界で一番になる可能性のある人です。」そんなことを言いながら実験を始めた。
「5Cm位のとても短い吹き矢と、20センチくらいの吹き矢と、100cmの吹き矢を取り出して、元にマッチを入れて、どれが一番飛ぶと思いますか。」そんな授業だった。

「長いのが一番飛ぶのです。吹く力×吹いていた時間が飛ぶ距離になるのです。かけ算です。ひとの吹く力はそんなに変わらない、どこで差がつくかといえば、集中してどれだけ長い時間取り組んだかが、差になってくるのです。」

ボクのことをいえば、まだ「インターネットはじきに終わる」なんて言われていた、4年前にインターネットを始めたのが、他の人との違い。それが縁で、今度、アメリカまで行くことになったんだ。

自分の道を進む、誰も歩かない道を進む。それはつらいこともずいぶんあります。ずいぶんありました。でも、あなたがたも自分の道を歩いてください。ボクの前には道はない。ボクの後ろにすぐには道はできないかもしれない。でも、それでも歩き続けてみてください。なんだか自分に言い聞かせているみたいなことを思いながら、授業をした。

ありがとう。こうやって、君たちの喜ぶ顔が見られるのが、ボクの生きる力になっている。


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