音楽会


 2002年○月○日音楽会が開かれた。
 学校によっては音楽会がないとか、学芸会があるとか、色々違いはあるだろう。もり小の地方には音楽会があり、写生大会があり、運動会があるのが普通だ。学芸会はボクの子どもの頃はあったけれど、今はない。
 で、ここでは音楽会って何なんだろうって議論はしない。音楽の時間は年50時間、今後どうしていくかは大きな問題だろうし、学習発表会とか芸術発表会とかいって学芸会や総合学習として扱う方法もあるだろうし、なくしちゃうということも考えられる。で、それは抜きにして・・・

音楽会は、単なる音楽の発表会で良いんだろうかと疑問に思うのだ。
音楽会をするならちゃんと目標があって、目標を達成するための方策があって、目標にそった評価があって良いと思うのだ。他の行事もそうだけど。
例えば、
歌をの目標、音楽的な発声ができているかとか、腹式の呼吸ができているかという簡単な目標を学校として立てる。
方策・手だて、そうするためにはそういう指導法があるかということを、きちんと先生対象の講習会を行う。
評価・音楽会での声の質と量
とかいうふうに。
そうすると先生方の競争が起きるとか嫌われるのだろうけれど、そういうふうにする意図はない。競争ではなく、きちんとどういう指導法があるかの講習を行う。それにその結果できたかできないかは先生方の努力を評価するのでなく、その指導法が良かったのかの評価を行う。また目標が良かったかの評価を行う。きちんとできなければ、そういう講習や先生方の指導ができなかった学校経営の評価にする。もっと良い指導法を探してくるよう、校長に要請するのだ。そしてそれを保護者にも発表すると良い。そういうふうに、先生方の考え方を変えないとダメだね。
 ボクは、担任だったときに一番行ったのは、ロングトーンの発声。ちょっと歌の中の高音を、あーーーーーとか指揮で伸ばさせる。息が切れてもまだ伸ばす。そしてそこできれいになってきた一瞬の発声を褒める。そしてまた、ロングトーンを繰り返す。そのうちに、発声を覚える。腹式でたくさん呼吸しないと声が続かないから呼吸法も良くなる、声の質も良くなる。そこをまた褒める「その声、とっても良い。少年少女合唱団みたい。」
 他にも色々な方法があるだろう。それを集め講習してみんなの技術にすること、そして学校の音楽の水準を上げることも、音楽会の係の仕事だし学校経営の大事な仕事。

 技術についていえば、指揮法についても同じ。いい加減だ。
教師は色々な学習を教えているので、無理といえばそれまで。ということで、いい加減な指揮が多い。「しっかり歌え。」とか「歌う気があるの、もっと大きな声を出して。」とか叱咤激励するのが音楽の基本ではない。指揮によって子ども達の声を引き出し伸ばすのが基本の一つだと思う。(声でなくて音楽性をとかいう人もいるし、合奏の場合は声ではないけれどここではそれを含めて声という言葉で代表させているつもりだ。)
 まず、指揮者の姿勢。
 膝で指揮をしたり尻で指揮をしたりする先生や踊り出す先生もいる。「大きいことは良いことだー。」なんて踊りながら指揮をした指揮者もいたけれど、それは例外。尻で指揮をする先生はかっこわるいし、指揮棒の打点が拍がはっきりしなくなるのがその理由。
 次に、指揮棒の振り方。
 大きくしろーって前に振ったら、子どもには見えないだろ。前後の動きっていうのは見えにくい。気持ちは分かるけど、それはあなたが声を出すときのこと、どうしても前後に振るなら、ボクは、声を出してー・もっと声を飛ばせーと後ろに振るか、下がる。でも、上下に振るのが基本。左右はって?左右に振るのが好きな先生もいるけど、それはだめ。どこが打点かを分かるように左右に振るのは難しいよ。カラヤンじゃないんだから。それに、そんなに上で振っちゃだめ、振る範囲を考えて。最初からVの字かいて、弱起のように振ったりしちゃだめ。上で拍子を取っちゃダメ。上でどんどん拍を取るのはプロの技。ほらほら、打点でピタッと止まっちゃダメ。プロにはあるけどそれは基本じゃない。子どもや曲に合わせてリズムを叩いてもだめ。ほらほら先生が主役じゃないんだからそんなに踊っちゃ子どもが目立たない。
 ほらほら、ただ振っちゃダメ。
 指揮の基本は何か。
 下半身は動かさない。上下は臍から頭までで左右は肩幅ちょっとが振る範囲。手首は動かさない、こねくらないで固定。上から卵を描くようにおりてきて、一番下で一番早くなってトーンと打って上に上がり、一番上でスピードが最低になってまた落ちる。一番下におりたところ・打点は1拍目も2泊目も3拍メモいつも同じ場所で動かさない。
そして、張りのある大きな声を出させるなら、1拍前の上がるときに大きくなりたくさん呼吸させて出させる。合奏でこがリズムここがリズムって打つのなら、一拍とか半拍前から分かるように振らなきゃダメ。速度を変えるときも半拍前から合図して曲想をつける。合図は前に前に行うのが指揮。

なんでこんな事書いてるかって?ボクは小学校の理科の先生。担任だったときは音楽もやった。そこで少しずつ身につけたたくさんの教科の技術を忘れ去るのはもったいないと思ったからだ。また、新卒の先生はそういう技術を1から手探りで学んでいく。そんな中の1人でもこれを見てくれればと思う。

で、音楽会はどうだったって。もちろん最高。