村おこしの紅茶「うまいんだに」

長野県南部の遠山郷は、信州のアルプス飯田市からみても、とても遠くの村だった。
飯田市から1時間から2時間に1本の電車で1時間、その後一日何本かのバスに乗って1時間弱で行く山峡の村だったのだ。
だから村の中には、パン屋さんも、肉屋さんも、桶屋さんも、何でもあった。村の中で色々なものを生産していたのだった。豊かな森林で生活してきたなんだか明治や大正の日本をそのまま残したような村だった。

この遠山郷がいまとても元気だ。
まず高速道路用のトンネルが空いて車で約40km、車で1時間ほどで飯田市からも行けるようになった。そして愛知県側からも多くの人が訪れるようになってきた。温泉もわいた。
そして、今、村おこしの活動が活発になってきている。

遠山郷は、お茶の北限でもあり、山の斜面にはお茶が多く栽培さえていた。
お茶はイノシシや猿に取られないから、山の農産物としては最適だった。

遠山郷は谷が深く日照時間が短いため昼夜の寒暖の差が大きいから、お茶の葉の成長が遅い。だから、養分がしっかりお茶の葉に蓄積されるのだそうだ。その上病害虫が出ても農薬をできるだけ使わない昔ながらの作り方で栽培されているから、良質のお茶ができるのだ。
それにお茶は、ゆっくり成長するので、年に一度だけ手摘みで取られるだけから、幻のお茶として取引さされていた。ただ、栽培できる緩斜面が少ないため生産量は少ないから、広く知られることも無かった

このお茶を村起こしの起爆剤にと、地域の有志が立ち上がって紅茶を作ったのだ。
摘んだ茶はこれまで取られてこなかった二番茶。二番茶というと一番より悪いような気がするのは間違いだそうだ。二番茶の方がタンニンが強いので、一番茶より紅茶に向いているのだという。
遠山のお茶の葉だから、養分の濃い健康な紅茶ができると考えたのだった。

手揉みの緑茶は作ったことのある遠山の人たちも、紅茶は作ったことはない。そこで自分たちで制作したり、ヨーロッパまで研修に出かけたりして研究をした。
そしてこのお茶ができあがったのだ。

(これを書いたのはいつだったのか、
道路が出来て便利になったけれど、道が出来て遠山は寂れた。)
でも、観光客は以前より来るようになっているだろうか。
遠山郷は飯田市に合併して、飯田市になった。
道は寂れるための道だったのだろうか)2014追記

ネーミング

全国からネーミングは募集した。何千通もの応募が全国からあった。その反響に生産者は驚いた。
選者には地元の女子高生や、田中県知事も加わった。そして、「うまいんだに」に決まった。
「うまいんだに」というのはこの地方の方言、文末に「・・・ですよ」というかわりに「・・・だに」というのだ。
だから「うまいんだに」は「おいしいですよ」ということ。

遠山に行ってボクもこのお茶を手に入れた。
そこで、早速おのお茶を飲んでみることにした。といってもボクは紅茶の味は分からない。
何とも批評できないのが残念。

購買、詳しい経過

こんなことを書いてきて調べてみたら、ホームページに詳しい生産までの記録があった。
遠山郷アンバマイカへ訪問してみてください。

ここへ訪問してみてください