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もり小式漢字ドリル


楽して漢字を覚えよう

漢字練習は、昔から、なかなか苦労がいることでした。
子供の頃、「ノート1ページ漢字書き取り」なんていう宿題が出ました。 それを、ぼくは書き取りが嫌いでやりませんでした。だから、国語の時間にある「漢字10問テスト」で10点満点を取る人をすごいと思うだけでした。 大人になっても、漢字に苦労してきました。
そこで、子供たちには楽して漢字を覚えてもらいたいと思って、このプリントを作りました。
では、このプリントを使ってどのくらい漢字が書けるようになったのでしょうか。 使ってみて、以前より漢字を覚えるようになったなあとは感じていました。でも、しばらくは、本当に効果があるかは分かりませんでした。
ところが、3年前(1994年)に4年生を持ったとき、あるお母さんから、
「全国で7000人参加した塾の漢字テストで、娘が1人だけ100点を取って、全国1番になった。」
と、聞いたのです。記憶力のいい子でしたが、クラスには他にも、同じ程度漢字の書ける子供があと6人はいました。 そこで、このプリントの効果があることを確信したのです。
「家庭訪問へ行ったら、『姉さんが使っている漢字プリントを、妹もやってほしい。』と言われた。」と、他の先生から聞いたこともあります。 このお母さんも、プリントの効果を知っていたのです。
今年、また4年生を持ったので、また漢字プリントを作成しました。以前より使いやすいように形式を少し変えて、名前もつけました。
より簡単に、より多くの人が漢字を覚えられる方法、その一つが、もり小式漢字ドリルです。

1,漢字は、ある程度の量が頭に入れば、あとはどんどん覚えられます。

経験的に言えることですが、4・5年の漢字を覚えてしまった子は、かなり簡単に6年の漢字を覚えるようになるようです。
英語はある程度の量頭にはいると、英語で考えられるようになると言われます。漢字も英語と同様なことがいえます。 ある程度の量の漢字が頭にはいると、漢字がどんどん書けるようになるのです。
漢字は、基礎となる形の組み合わせでできています。 だから、基礎となる形や組み合わせ方をある量覚えて、頭の中に漢字の回路ができると、あとはどんどん頭にはいるからではないでしょうか。 【進】は、形が複雑で、間違えやすい漢字です。でも、覚えてしまえば【集・観】などに応用がききます。一つ覚えれば、漢字の形は他の漢字に使えることがあるのです。
その量が、小学校の4・5年の漢字だと思います。 4・5年の漢字を覚えてしまえば、あとは漢字が難しくなくなるのです。 6年生は【岸】などの、いくつかの特殊な形の漢字を扱うだけで、あとは簡単に覚えられるようになります。 4・5年の漢字は、漢字が使えるか使えないかの、一つのハードルだと言えるのです。

3,漢字を覚えるための良く知られた練習方法をプリントに。

漢字指導の上手な先生は漢字を空で書かせます。指を一本出させて、空に漢字を書くのです。指の動きを見ていると、漢字を覚えているかいないかが分かります。漢字が頭に入っていないと、空では書けないからです。
ノートに漢字を繰り返し書くのは、漢字がそこ書いてありますので、上の字をまねすれば書けます。覚えなくても書いてある字のまねができてしまうので、頭へ入りにくいのです。ノートの練習は、繰り返して書いてもなかなか覚えないから、覚えるためにたくさん書くということになります。
もり小式漢字ドリルは、この頭へ入れて空へ書くという方法を、プリントで可能にしました。
このドリルプリントは、同じ漢字を16枚のプリントにしてあります。
1枚目のプリントは、ぜんぶ仮名になっていますので、読み方を確認しながら覚えます。
2枚目のプリントは普通の漢字テスト(1字)のようになっています。 覚えていなければ、前の紙をめくって見て、紙を戻して前の紙がみられないようにして、書くことになります。 前の字見えなくして書くということが、空で書くのと同じ効果があるのです。
3枚目は、同じ漢字を、順番を変えてテストします。ここでも3枚目と同じ効果があります。
4枚目~5枚目は、熟語・送りがな付きで漢字テストです。
こうして、同じ漢字を、使い方を変えて4回、全部で16枚のプリントを使って繰り返して学習します。
覚えにくい漢字の練習は、1・2枚目は見ているので書けますが、4枚目くらいで間違えて書き、5枚目で漢字を見て間違いに気づき、8枚目でまた間違える。 けれど9枚目の見ながらの練習で、間違いに気がつく、ということがよくあります。
これは、何枚ものプリントは、覚えるためのステップになっているということです。さらに、覚えたかどうかの確認もプリントでできるのです。
さらに、漢字の書き方だけでなく、漢字の使い方を4通り覚えることができるという効果もあります。

4,漢字を忘れないための科学的な方法もプリントに。

漢字は一度覚えるだけでは忘れます。頭は、覚えたものを端から一定の速度で忘れてしまうのです。 忘れないように覚えるためには、忘れる少し前にまた繰り返して覚えることが必要です。 そうすると、忘れる速度が少し遅くなります。そしてもう一度忘れる少し前に繰り返すと、前より忘れにくくなることが知られています。
つまり、忘れたる少し前に繰り返すことが記憶を強化するのです。
もり小式プリントは、何回か繰り返して使います。忘れかけた頃にもう一度繰り返すことで、漢字を覚えていくのです。

5,プリントの使い方

分からないときは、前の紙を見てください。最初の紙は漢字が書いてあるので、それを見ることが大事です。
「テストだから見ちゃだめ」といって、覚えていない漢字を、見ないで書こうとするのは逆効果です。覚えたら自然に見なくなります。 見る方が見ないより時間も手間もかかりますので、覚えれば自然に答えを見なくなります。見なくなるまでは何回でも答えを見てください。
また、「分からない字は辞書を引きなさい。」というのもだめです。ドリルは忘れる前に繰り返すのが大切です、でも 辞書をひくのは時間がかかるので、忘れてしまってから繰り返すことになり、プリントの効果が薄いのです。

6,楽して漢字を覚えよう

答えがついているから簡単、どんどん見て覚えて書けば、少ない練習で漢字が覚えられる。これがこのプリントの特徴です。
学校でも国語のある日は5分~10分の練習時間をとります。家でも使ってください。どんどん、回数を繰り返すほど、漢字を覚えます。 時間内なら何枚プリントを書いても良いのです。プリントを進める早さは人によって違いますが、それでかまいません。

7,一回に使うプリントの枚数。

今年は4年の漢字プリントを360枚に作ってみました。 (パソコンソフトの百万問題集漢字編で自動作成しています。)
これを、80枚4回程度に分けて、練習します。まず、最初の80枚のプリントを何回か繰り返すことから始めます。 360枚を全部与えて繰り返すのは、全部のプリントをやってしまう時間がかかりすぎてだめです。 80枚50字くらいの漢字を繰り返すことが、忘れる前に繰り返すことになりり、経験的には効果的に感じます。
特に漢字の苦手な子供たちには、一学年戻って前の学年の漢字から練習すると喜びます。(2012年)