掃除

何でも溶かす水の使い方
掃除の仕方に感心して、こんなことを言いました。
「水っていうのは、物を溶かす性質があります。ゴミもとかすし、塩も溶かすし、石でも溶かしちゃうんだよ。」
ここの子供たちは、掃除の仕方が上手です。掃除っていっても竹ぼうきも、ほうきも、草かきも、その他色々な道具があるけれど 、その中で特に感心したものの一つが、水の使い方です。
毎日、この学校では教室の掃除で、ぞうきんがけをしています。そのとき感心したのは、まず水でタタタタターと床を拭いていく子がいて、 その後を乾いた雑巾で追いかけるように拭いていく子がいることです。
それから、手洗い場の掃除にも感心します。たわしでステンレスの正面の壁や流しをこすってきれいにする。これは誰でもやる。 で、その後、ちゃんと乾いた雑巾で水分を拭き取るのです。
「先生きれいになったで、見て。」
というので、行ってみると、まあ、ピカピカで、古いから鏡のようには顔は写りませんが、磨いた後が白く光ってきれいです。
石を溶かすっていうんで子供たちはびっくりします。
「石を溶かすのは、は本当だよ。長い月日をかけて少しずつ溶かすんだ。削るんじゃなくて溶かすこともあるんだよ。」
「水はとても小さな粒でできている。小さな粒を水の分子っていうんだ。」
「知ってるー。物は小さな粒でできてるんだ。」
って、何人かが反応する。
「その一つ一つの粒が磁石みたいに物をくっつける性質があるんだ。+とーのところがあるんだ。」
「だから、ゴミを吸い付けて、水の中に溶かしてしまうんです。」って絵を描いて説明します。
「水で拭くと、汚れが水に溶けて、よごれが落ちたようになります。」
「でも、水が残っていると、水に溶けて汚れも残っている。でも、水に溶けているから、汚れは見えなくてきれいになったように見えます。 そのあと、水が乾くと、また汚れが見えるようになって、こびりついてしまう。」
「その反対に、水で拭いた後、汚れた水をきれいにふき取ると、汚れも一緒に取れます。だから、本当にきれいになるんです。」
水拭きの後、乾いた雑巾で拭き取るのはとても合理的なのです。」
もちろん、しっかり硬く絞った雑巾で拭くんでも良いんですが、子供の力では硬く絞るのはなかなか難しい。 そこで、乾いた雑巾で追いかけて拭くのが効果的。汚れを含んだ水分を取ってしまうので、きれいになるのです。
4年生にそんな話がどこまで分かるのか・・・蒸発も、分子も、磁石も、液体も分かってないじゃないか・・・っていわれると、もっともです。
でも、子供たちは、きれいにふき取るとステンレスの壁がきれいになること、ふき取らないと水の跡が残ることを、知っています。
「乾いた雑巾で水を拭き取ってるのは感心しちゃった。きれいだね。」